あのね

AIMYON 15th SINGLE

あの

2023 12.06 WED

RELEASE

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リリース情報

あのね

15th SINGLE「あのね」

WPCL-13522 / ¥1,100(税込)

2023.12.06 WED RELEASE

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TRACK LIST

01
あのね (映画「窓ぎわのトットちゃん主題歌)
02
die die die
03
あのね (Instrumental)
04
die die die (Instrumental)

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あのね メガジャケ(240mm×240mm)

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MUSIC
VIDEO

ミュージックビデオ

あいみょん – あのね【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

あいみょん – あのね 【very short movie】

映画『窓ぎわのトットちゃん』あいみょん「あのね」主題歌PV

OFFICIAL
INTERVIEW

インタビュー

映画『窓ぎわのトットちゃん』主題歌
2023年を締め括る通算15作目のニューシングル『あのね』

あいみょんの2023年を締め括る通算15作目のシングルは、映画『窓ぎわのトットちゃん』主題歌の『あのね』。黒柳徹子が自身の幼少期を描いた自伝的小説である『窓ぎわのトットちゃん』は、現在までに全世界累計2400万部超、20以上の言語で翻訳されている、まさに世界的な大ベストセラー。1981年に執筆されてから、40年以上のときを経て、この度初めての映画化が実現した。2021年に「徹子の部屋」にも出演しているあいみょんは主題歌を担当することに対して、「お話をいただいたときは不安でしたが、去年の紅白歌合戦のとき徹子さんが『よろしくお願いしますね』と声をかけてくださり、とても嬉しかったです」というコメントを寄せている。

あいみょん:小学校のとき朝に読書の時間があったんですよ。そのときにみんなで『窓ぎわのトットちゃん』を読んだ覚えがあります。あと父方のおばあちゃんがトットちゃんの表紙を描かれてる方(画家・絵本作家のいわさきちひろ)がすごく好きで、おばあちゃんの家にあの方のカレンダーとかがめっちゃあったんです。今回もトットちゃんの曲を私がやるって教えたら、父と一緒に見に行くって言ってましたね。

映画の舞台は第二次世界大戦が終わる少し前、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学になってしまったトットちゃんが「トモエ学園」に転校するところから物語が始まり、先生やクラスメイトとの交流、ヴァイオリニストの父と母との生活や、トモエ学園のユニークな教育方法など、トットちゃんの様々なエピソードが綴られていく。

あいみょん:テーマになりうる要素が多すぎて、どこから書けばいいのか本当に悩みました。誰かの目線で書くのか、それとも時代背景を丸ごと書くかとか考えながら、とにかくワンコーラスをいっぱい作って、スタッフさんに「どうですか?」って聞くことをひたすら繰り返してましたね。 子供たちのお話なので、最初は曲調ももっと童謡っぽい感じをイメージしたりもしてたんです。映画の中で子どもたちが歌うお弁当の歌みたいな感じとか、“マル・マル・モリ・モリ!”みたいな感じでも成り立つかなとか(笑)。

でも映画の主題歌でもありつつ、私の15枚目のシングルとして出すわけやから、ちゃんと自分らしい曲にしたいと思ったし、あと曲が流れるエンディングのシーンは頭に入ってたので、それは大きかったですね。急にアップテンポでジャーンで始まるのはおかしいなとか、そういう曲のニュアンスとか雰囲気に関しては、わりと最初からイメージはありました。

こうして完成したのは約6分50秒と、あいみょんの楽曲の中で最も長尺のミディアムバラード。淡々とした序盤から始まり、ストリングスとともに徐々に盛り上がると、最後には1分以上に及ぶアウトロがあることによって、深い余韻を描き出している。歌詞は物語の中核を成す、小児麻痺で足が不自由な男の子・泰明ちゃんとトットちゃんの関係を連想させるもので、〈あの水たまりを越えられたら〉などの描写が映画の名シーンを思い起こさせる。

あいみょん:〈孤独を映す影や歩幅 スピード 取り戻してあげたい〉がメロディーと一緒に出てきたときに「これやな」と思って、サビのイメージができてからAメロを書き始めた感じです。でもあんまり泰明ちゃんに寄り過ぎないように、基本的にはラブソングぐらいの気持ちで書きました。だからトットちゃんのイメージがなかったら、ラブソングに聴こえるやろうなって。そのためにも、曲の中では年齢をちょっと上げてる感じです。トットちゃんと泰明ちゃんは小学生ですけど、曲の中では大人になってるイメージですね。

〈寝癖がある君の方が〉っていうのもイメージ的にすごくしっくり来て、寝癖がある人って、イコール子供っぽいイメージがあるじゃないですか。年齢層をちょっと上げて書いてるから、〈寝癖がある〉っていうので子供っぽさを、泰明ちゃんをイメージしました。〈まだ幼い顔つきで怒る〉っていうのも、そもそも2人は幼いわけですけど、ここでは年齢を上げて書いてるから、〈幼い顔つき〉っていう言い方になってるんです。

水たまりのシーン、めっちゃいいシーンですよね。最後にトットちゃんが学校の前の水たまりを飛び越えようとするけど、飛び越えられてないのがまたいいんですよ。現実をちゃんと突きつけられるというか、あのシーンは作品にとってもすごく重要やと思うし、自分にとってもすごく印象的でした。

曲のタイトルになっている「あのね」という言葉は歌詞の中には一切登場しない。しかし、「せんせい、あのね」というフレーズに聞き覚えのある人であれば、この言葉が様々な心の交流を描く「トットちゃん」にぴったりであることがすぐにイメージできるだろう。

あいみょん:最初の仮タイトルはずっと「トット」だったんですけど、タイトルどうしようかって話したときに、ふと「あのね」かなと思った感じですね。サビの前とかに語りかけがつくというか、「あのね、寝癖がある君の方が生きているって感じるんだよ」みたいなイメージもありました。最初トットちゃんがトモエ学園に入るときに、校長先生が「全ての話をしなさい」って言って、トットちゃんが「あのね、あのね」って話すような、あの感じもイメージの中にはあったかもしれないです。

あと私の地元の西宮の小学校には「あのね帳」っていうのがあるんですよ。ずっと全国にあるものやと思ってたんですけど、今回この曲を作って、スタッフさんに「あのね帳、知ってますか?」って聞いたら、みんなキョトンだったから、どこにでもあるわけじゃないみたいですね。「せんせい、あのね」から始まって、その日にあったこととかを書くんですけど、それがトットちゃんのイメージに繋がるなと思ったんです。今や徹子さんはテレビで話を聞く側になってるわけですけどね(笑)。

映画の全国公開に先駆けて行われた試写会では、トットちゃんと自分を重ね合わせながら鑑賞した部分もあったという。

あいみょん:小学生の頃の私もカメラとか向けられるとふざけちゃって、ずっと変顔したり、大きい声を出したりするタイプだったので、「マジ自分やん」みたいなところがすごくありました。あとトットちゃんはすごくおてんばで、急に何し出すかわからない子ですけど、でもすごく気が遣えて、ちゃんと周りを見てる子で。最後の方のシーンで女の子が泣いちゃったときも、わざと変な顔をして笑わせてあげたりしたのは、自分もそういうときあるな、みたいな気持ちになりました。自分がふざけてれば周りが笑ってくれるみたいな、そういう部分は自分とも重ね合わせながら観てましたね。

うちの子は何でこんな慌ただしいんやろうとか、人と馴染めないんやろうって思ってる親御さんたちにはぜひ観てほしいですよね。今の親御さん世代って、もうだいぶ若い、平成生まれのお母さんお父さんだと思うから、トットちゃんを読んだことがない人も中にはいると思うので、改めて観てほしいなと思います。大人が観ても子供が観ても、何か感じるものがきっとある映画だと思います。

“あのね”が内包するせつなさや愛情の深さをより感じさせるのは、やはりあいみょんの「歌」の力によるところが大きい。今年は40本に及ぶ全国ツアーを完遂するなど、シンガーソングライターとしての、歌い手としての表現力にはますます磨きがかかっている。

あいみょん:レコーディングはそんなに手こずったイメージはないですけど、最初のAメロとかは音数が少ないので、そんなに声を張り過ぎずに、ニュアンス勝負みたいなところは何ヶ所かありましたね。最近は繰り返し録り直すみたいなことはあんまりなくなって、3本くらいバーッと歌って、一番ニュアンスがいいものを選ぶ感じです。

最初の頃は不安も多かったから、「上手く歌えた方」みたいなイメージで選んでましたけど、自分が7年この活動をさせてもらってる中で、いろんな方のステージを見せてもらったりもして、やっぱり歌は「上手さ」だけじゃないなって。もちろん「上手いね」って言われたら嬉しいですけど、でもそこだけじゃない何かが大事で、言葉のお尻とか伸ばし方、語りかけ方、感情がちゃんと滲み出てるかどうかとか、そういう方が曲にとって大事なのかなって。

最近おいでやす小田さんが「おだみょん」で“裸の心”を一生懸命歌ってくれて、全然上手くはないんですけど(笑)、でも大事なのはそこじゃないんですよね。私も昔はピッチばっかり気にしてるときもありましたけど、最近はちょっとずれてるぐらいがいいなと思うときもあったりして。今年はずっとツアーをやって、なおさら自分の歌に向き合う時間が長かったから、そういうことを思ったのかもしれないです。

シングルのカップリングにはミツメの川辺素がアレンジを担当した“die die die”を収録。今年のツアーでも披露された“ミニスカートとハイライト”、“皐月”に続く3曲目のコラボレーションで、ラフなバンド演奏と〈大好きな人が許せない〉〈大好きな人に溺れたい〉と相反する気持ちに揺れる心情を描いた歌詞の組み合わせが楽しい。

あいみょん:カップリングは基本的に表題曲とは全く別のものを持ってこようという気持ちなんですけど、今回はもう素くんに頼むことが決まってたから、素くんっぽい曲を選ぶというか、素くんがアレンジしてくれたら面白そうなものを選んだ感じです。

レコーディングは超面白くて、部活みたいな感じ(笑)。前まで素くんがアレンジの曲はミツメのメンバーが演奏してたんですけど、今回は素くんのお友達だったりして、学生バンドみたいなノリで、それがすごく新鮮で。もちろん、今回のミュージシャンの方も素晴らしいんですけど、普段のレコーディングよりもっとワチャワチャしながら、「なんでやねん!」とか言いながらやってて、この感じはひさしぶりやなって。ちなみに、この“die die die”っていうタイトルは、「大大大好き」とかけてるんです。

朝の連続テレビ小説『らんまん』主題歌の“愛の花”、らしさ全開で自由に作り上げた“ノット・オーケー”、今回の“あのね”という3作をシングルリリースし、充実の全国ツアーを走り抜けた今年のあいみょん。社会全体がかつての動きを取り戻した感のある2023年は、あいみょんが音楽家としての地盤をもう一度固め直した一年になったと言えそうだ。

あいみょん:今年は「これこれ、これができたらいいの」っていう1年でした。ツアーがメインで、新曲も3曲出てっていうのは、本当にバランスがいいんじゃないかと思います。今年のツアーは今までもずっと来てくれてる子たちとのツアーっていうイメージだったので、アットホーム感もあって、安心して回れたのも大きかったし、こういう感じで毎年やれたらいいんじゃないかと思いましたね。今年はいい朝ドラに巡り合えたことも本当によかったですし、年末は恩返しのつもりで頑張りたいです。

TEXT:金子厚武

THEME

主題歌

  • 映画 『窓ぎわのトットちゃん』 主題歌

    出演:
    大野りりあな/小栗旬/杏/滝沢カレン/役所広司 他
    2023年12月8日(金)公開

    公式サイト